BATUTA80S+
Batuta80S(バトゥータ80S)は6.7ftと8ftに可変することができるライトスピニングロッドです。
Batuta80Sの汎用性の高さはキャストウエイトからも伺えるようにライトゲーム全般にフォーカスし、徹底的にテストをしたエギングはもちろんのこと軽めのルアーを用いたシーバスゲーム、チニング、メバルゲーム、ライトロックゲームなどあらゆる手軽な釣りから本格的なゲームをカバーするロッドです。
Batuta80Sはエギングロッドとしてみるとスローなテーパーの竿になります。ロッド全体を鞭のようにしならせるジャークを得意とし、食い渋ったいかにもスラックを活かした丁寧な誘いをかけることが可能です。
近年、技術の進歩とともにハイエンドのエギングロッドやライトクラスロッドは繊細なティップ、極端なファーストテーパーを採用したものが主流となってきました。しかし、Batuta80Sはある程度ハリを残したティップのレギュラーテーパーのブランクスを採用しています。
Batuta80S|fishing style
Batuta80Sの最大の特徴は、“ティップの適度なハリ”と“バットのしなやかさ”です。
6ピースロッドとは思えないほどロッド全体がきれいに曲がることにより、小型のフックや細いラインでも安心してファイトをすることができます。パワーがありつつもしっかりと曲がってくれるバット部分がライトラインの性能を限界まで活かしきることで、時折訪れる大物との遭遇時もターゲットをキャッチへと導いてくれます。
6.7ftの場合は、ハリがありつつもレギュラーにきれいに曲がるというロッドの性能がもたらす懐の深さは素晴らしいもので、湖や河川でのバスフィッシングからボートからでのライトゲームまで幅広く対応できるスペックとなっています。短くなることでしなやかさは残しつつも少しシャープな使用感になります。そのため、細かなアクションを付けるような釣りに最適なロッドです。
また、短くなり操作性が一段とよくなることで、3gから10g程度の小さなルアーの扱いが特に快適になります。
新しい方法での可変システム|New Trans System
Batuta80Sは今までのレングス可変システムとは違う、新たな可変システムを導入しています。従来のトランスセンデンスのロッドは、レングスを伸ばす際は新しいピースを加えていました。このシステムでは、ライトゲームロッドに必要な軽量化をすることが難しく、Batuta80Sを開発するうえで一番の問題となっていました。
Batuta80Sに求められていた8ftで110gアンダーにするためには新たな可変システムの開発が必要でした。そこで提案されたのが6ピース+1ピースという考えでした。ショートバージョン用のバット部分を余分に1ピース作ることによって印籠棒を使わずに長さを可変することができるようになりました。
8.0ftの場合は、♯1+#2+#3+#4+#6+#G
6.7ftの場合は、♯1+#2+#3+#5+#G
となります。ロングバージョンで使用するバット部分をショートバージョンでは使用しないことによってより軽量化することができ、またロッド全体にテーパーを付けることに成功しました。これによりBatuta80Sはより繊細に、より軽量なロッドに仕上がりました。
6.7ft と8.0ftにした意味|LENGTH
Batuta80Sは新しいTransシステムを導入することによって2種類の長さに可変することができるバーサタイルロッドです。メイン設計で考えられた長さは8.0ftバージョンであり、エギングを主体にあらゆるライトソルトゲームに使用可能なレングスとなっています。
マルチピースロッドにおいて汎用性の幅広さは非常に大切であり、Batuta80Sが目指したのはトランスセンデンスにおけるライトソルトゲームのスタンダードロッドです。防波堤からの釣りからゴロタ場の釣り、港湾での釣り。あらゆるシチュエーションで使えるレングスが8.0ftでした。
また、ショートバージョンでは、大幅にレングスが変わり6.7ftまで短くなります。その理由としては、ボートからのライトゲームでの使用や野池や河川でのライトゲームに使えるレングスとしたかったからです。淡水域での釣りにおいては7ftでも長い場合が多々あります。それと同様にボートからでの釣りにおいても船の大きさに限りがあるため長いロッドは敬遠されがちです。6.7ftというレングスはそういった場合でもしっかりと使える現実的な長さでありバーサタイルロッドとしてど真ん中なレングスです。
エギングにおけるBatuta80S|Eging
エギングにおけるバトゥータの優位性。
Batuta80Sは主に3.5号のエギの使用することをメインに考えたロッドです。もう少し具体的に言うと、21g以下のエギを快適に扱うことを最も考えたロッドになります。
近年のエギングロッドは小口径ガイド、極端なファーストテーパを採用したものが多く見られますが、そんな中で、Batuta80Sは竿全体がとてもしなやかに曲がるスロー気味な味付けのロッドです。
6ピースのロッドとは思えないほど素直に曲がることで細糸との相性も非常に良く、どんなサイズのイカでも引きを楽しむことが出来ます。
竿全体を鞭の様にしならせて、スラックを多く作るようなしゃくりとの相性が非常によく、エギを手前に寄せずにネチネチとイカにアピールすることを得意とします。
また、しなやかさを最大限活かした設計にしたことにより、ジャークやフォールの際に潮の変化を敏感に感じることのできる独特の使用感を持ったロッドになります。
ガイドセッティング|Guide Setting
Batuta80Sは軽さと快適さを追求するためにトランスセンデンスでは初めての「すべてチタントルザイト」を使用しています。
ブランクスや新TRANSシステムの導入、ハイエンドガイドであるトルザイト。
これらすべてを駆使して作られたのがBatuta80Sであり、マルチピースロッドの進化を手に持った瞬間に感じ取れるロッドとなっています。
すべての遠征アングラーが持っていく一本になるために何一つ妥協をしなかったロッドです。
小さなこだわり|committed to quality
様々な釣りへの適応力の高いとされるエギングロッドをベースに設計したことによって生まれたBatuta80Sの素晴らしい汎用性。
どんな釣りでもこなせるけれど全ての釣り70点しかこなせないロッドになってしまわないように、エギングロッドとしての基本性能を最優先で考えた上でイカ以外のターゲットにも汎用性を広げるというコンセプトで徹底的にテストを行いました。
そして、その汎用性を最大限活かして、ホームの釣りでも、アウェイの釣りでも、どんな状況下でも快適に釣りをこなすことの出来ることをテーマにどこにでも持って行きたくなるようなロッドを目指しました。
一番大きなこだわりは偶数ピースであるということです。
普段の使用では2ピースロッドとしても使用できるように6ピース設計を採用しました。
その結果、仕舞寸法460mmとTRANSCENDENCEの竿の中でもトップクラスに短い仕舞寸法となりました。
仕舞寸法が極端に短いことで、釣りをメインの目的としないような移動、例えば、出張や帰省、旅行などの際にも鞄の奥にひっそりとしまっておくことが可能です。
時には持ってきていることを忘れてしまうくらいにストレス無く持ち運びすることができることで、釣り以外の楽しみを邪魔すること無く、不意に訪れる釣りの機会を楽しむことが出来ます。
長尺のミドル&ライトゲームロッドにありながら仕舞寸法が短い事でこれまでは考えられなかった釣りの楽しみ方を提案してくる一本となりました。
Batuta80Sはエギングだけじゃない|Other Use
Batuta80Sはエギングをメインとして開発を進めたロッドですが、その汎用性の高さは驚くほどです。
トランスセンデンスのテスターは各々の釣りでBatuta80Sを使用しており、使用頻度が最も高いロッドとなっています。
具体例を挙げると東京湾では港湾・河川でのシーバスゲーム、防波堤や軽い磯場でのメバルゲーム、サーフからのヒラスズキゲームや陸っぱりでのバスフィッシングなど。
様々なシチュエーションで活躍しています。Batuta80Sを手にしたユーザー様の釣りを最大限にサポートしてくれるのがBatuta80Sの良さであり、強さでもあります。
以前から言い続けていた「エギングを本気で出来るマルチピースロッドが欲しい!」という思いを実現したのがBatuta80/67S。
マルチピースロッドを使ってアウェイで釣りをする際に、タックルがいつも使っているものと違うと釣りが100%楽しみきれていないと感じることが多くありました。そんな思いの中、それなら普段の釣りでも使いたくなるような竿をマルチピースで作ろうとなったのが今回の開発のスタートです。
特にこだわったのが潮を感じること。Batuta80Sは独自のセッティングのおかげで、しゃくりやフォール時にエギが受ける潮の抵抗感の微細な変化を手にとるように感じることができます。潮の動くタイミングで活発に捕食活動を行うアオリイカ。潮はその日の戦略を立てる上で最も重要な情報の一つだと僕は考えます。そうしてゲーム性を高めていくことがホームでもアウェイでも本気でエギングを楽しむことに繋がっていくのです。
また、エギングロッドの持つアクションをさせやすいという特性がエギ以外の様々なルアーでも活きるように開発を行いました。ジャーキングやダート、リフト&フォールなどアクションさせるルアーとの相性はもう最高です。
その結果出来上がったのは、エギングだけにとどまらないTRANSCENDENCEらしい竿。
そして、竿を動かし、ルアーに生命感を与えるというイメージからこの竿に指揮棒を意味する“Batuta”。Batuta80Sがあなたとルアー、そして、思い出のターゲットを繋ぐ指揮棒になりますように。
山田貴登
私が一年を通じてどこへ行くにもその手から離さないロッドがある。そのロッドの名前はBatuta80S。
エギングに始まりボトムワインドやチニングのようなライト~ミドルゲーム、軽量ルアーを使用する小型ベイトパターンやバチ抜けパターンのシーバスに至るまで近場の釣りや遠征の本命はもちろん、その際のサブターゲット狙いなどその活躍の場はとても幅広い。まさにバーサタイルという言葉を具現化した竿である。イメージとしてはPEの0.5~0.8号を使用するような釣りにぴったり嵌まるといった感じだろうか。
開発のスタートはエギング用のマルチピースロッドが欲しいという思いから。エギングでは秋シーズンに多用される2.5号エギから春シーズンの4.0号エギまで快適に扱うことが可能。
エギングで特筆すべきはその潮流を感知する性能の高さ。しっかりとエギを動かす時の抵抗感で潮を感じ、イカの活性が上がる一瞬のタイミングを逃さない。また、近年主流の他の多くのエギングロッドとは異なり適度に張りを持たせたティップセクションによりルアーを操作するようなボトムワインドや小型トップウォータープラグを用いたトップゲーム、小型ミノーのトゥイッチやジャーキングに高次元で対応する。
仕舞い寸法はトランスセンデンスのロッドの中でも短い460mm。こんなにも汎用性の高いロッドがコンパクトに鞄に収まることの素晴らしさとその先にある多くの魚との出会いは想像に難くない。普段のご近所フィッシングから鉄道、航空機、船の旅まで。この竿を手にした貴方が一魚種でも多くの魚に触れられることを願っています。
土井慧祐