Eguita|イギータ
センシーズが送り出す第一弾ルアー
フラット面で浮き上がりを抑えながら水を掴むので、ただ巻きするだけでフラフラ泳いでくれるのがイギータ5インチの基本アクション。ロングボディは従来のフラット系ではイミテート出来なかった、細身のベイトフィッシュのシルエットを再現している。
イレギュラーフォールも得意としており、リグやシンカーの使い方によってどんな状況にもアジャストできる、変幻自在のニューコンセプトソフトベイト。ノーシンカー、ネイルリグ、ジグヘッド、ジグトレーラーでの使用が特にオススメ。
prologue|プロローグ
プロトモデルの最終テストを行った2019〜2020年の琵琶湖冬シーズン。テストに協力してくれた琵琶湖ローカルの凄腕アングラー達が口を揃えてこう言った。
「食い方が本気やわ…」
食い方が本気。
そう感じたのはテスターだけでなく、プロデュースしている本人、ビックリマン高田も同じであった。
冬の琵琶湖のビッグバスフィッシングはショートバイトとの戦いである。
例えばデッドスローゲームで使用されるビッグベイト。バイトはあるのにフックアップに持ち込めない…という状況も少なくない。
またソフトベイトを使用してもテールバイトに悩まされることも多い。
ところがイギータのスイミングは食い方が異なる。タフコンディション時においても明確な”ゴンっ!”というバイトが殆どである。
釣り上げたバスの口を見るとイギータは丸呑み。イギータは完全に餌だと認識していると確信した。
ベイト食いのビッグバスが”本気食い”してくるニューコンセプトベイト。それがイギータ5インチである。
Character|特徴
イギータの最も大きな特徴は汎用性の高さだ。
ネイルリグやラバージグトレーラーなどの
冬のデッドスローリトリーブから、ジカリグなどでの
リアクションゲーム、スパイラルフォールなどでの
バーチカルな釣りなど、リグの適応率の高さから
多くの状況にアジャストできる。
アングラーのアイディア次第で無限の可能性を秘めているのだ。
それでいてバスの食わせのスイッチを入れるギミックを
ボディの至る所に散りばめている。
Body form|ボディフォルム
ベイトフィッシュをイミテートしたスリムなシルエット。ボディ上部はフラット面になっており、水を受けて浮き上がりを抑える効果がある。
ボディ後方に厚みや広がりを持たせており、これがイギータのスイミングアクションを生み出す。イギータの後方ボディはまるでスプーンのように水を受けるので、動力の発生部分が一部のパーツでなく、ボディの中心部となる。
またイギータの下部はボートのようなフィンキールデザインになっており、V字系の波紋を作り出す。この波紋がボディを包み込むことでシルエットをボヤかす効果がある。
これらの緻密に設計されたボディ設定が、本気食いを生み出す秘密のそのものである。またこの後方重心ボディは飛距離の向上をもたらす。
フラット系ソフトベイトは飛距離に難があるものが多いが、イギータは必要十分のロングキャスト性能を持っている。
イギータの大きな特徴の1つが独自に開発した”ジェットテール”。フラットで角のあるフィンテールに、垂直にスタビライザーテールが付いている立体的デザイン。
ボディと並行なフィンテールはボディ全体を微かに揺らす動きを最大限に生かす。そしてスタビライザーテールはボディの過度な揺れを制御するという基本的な役割を持っている。
メインテールの上下に設けられたリブは水を掴む効果がある。テールの付け根にも凹みがあって、水流の複雑な形成に一役買っている。また、スタビライザーテールにはほんの少しの厚みを持たせている。
イギータはスタビライザーテールの厚みがとても重要だ。イギータはミディアムリトリーブでウォブンロールの動きを見せるが、速度が低下すると体の振りが収束してI字の動きに変わる。
スタビライザーテールはウォブンロールの際は横方向に水を押すが、I字の動きではテールの断面が水を受けて縦方向の動きに変わる。スタビライザーテールは水に押されながらも元に戻ろうとするので絶妙な自発的動きを発生させるのだ。
この横方向と縦方向の動きの変化が狡猾なバスのバイトチャンスを作る。食わせの最後の要素になるのだ。当然、スイミング以外のボトム放置や、リフトアンドフォールの際にもジェットテールが絶妙に震えるので誘いのアピールにもなる。
ブルーギルやコバスのバイトでテールがちぎれるのではないかという懸念があったが、テストでは100本のイギータを使用して、コバスのバイトをフッキングして起こった1本のテール千切れのみ。動きの柔らかさと耐久性のバランスを考慮したテールになっている。
Tackle|タックル
オフセットのフックサイズは2/0を推薦。これが非常に重要だ。3/0以上のフックになると動きが変わってしまうので、2/0のフックを絶対にオススメする。
場合によっては1/0フックを使用することもある。ヘッドバイトがほとんどなのでフッキングは全く問題がない。むしろ小さいフックの方がバイトは深くなる。
ジグヘッドの場合も1/0か2/0を推薦。
ラインはジグヘッドリグの場合、フロロorナイロンの6lb〜8lb。
PEラインでの使用にはPE0.6号〜0.8号にリーダー6lb〜8lb。
オフセットフックを使った釣りの場合、
フロロorナイロンの12lb〜20lb。
ロッドやリールはリグに合わせて使用。シチュエーションや好みに合わせて選んで欲しい。
また、ノーシンカーやネイルリグにおいてはスナップの使用を推薦する。より動きが大きく出る+丸呑みされた時のラインブレイクのリスク軽減、バイトマーカーとしての役割を果たしてくれるからである。
以下、プロデュースしたビックリマン高田のセッティング。
・ノーシンカー、ネイルリグ、ジグトレーラー、ライトテキサスでの使用。
ロッド:プルクラ62B リール:アルカンセHS ライン:R18フロロリミテッド16LB
・テキサスリグ、ジカリグなど遠距離もしくはカバーでの使用。
ロッド:エストレーモ76(Tulala×Transcendenceプロト)リール:エクスセンスDCSS XG ライン:グランドマックス5号
・ジグヘッドリグでの使用
ロッド:ボティア62 リール:コンプレックスCI42000S ライン:R18フロロリミテッド6lb
Action|アクション
Rig 1|ノーシンカー&ネイルリグ
基本となるのがノーシンカーとネイルシンカーを挿入したネイルリグ。このセッティングでのベストなアクションをテストでは追求した。基本はミディアムリトリーブでボディ全体を振る、ウォブンロールアクション。
デッドスローリトリーブで尻を下げながらの揺れるアクションを見せる。
またフォールではスパイラルフォールを基本に、ロッドワークではイレギュラーダートを演出できる。タックルの欄でも触れたが、ノーシンカーやネイルリグにおいてはスナップの使用を推薦する。より動きが大きく出る+丸呑みされた時のラインブレイクのリスク軽減、バイトマーカーとしての役割を果たしてくれるからである。
Action|水面引き(Surface swimming)
ノーシンカーまたは0.3gのネイルシンカーをイギータの最も厚くなる部分に刺す。ロッドを立てながらミディアムリトリーブで水面直下を引いてくる。ヘッドのV字部分がまるでボートのように大きな波動を発生させる。そしてテールとボディの関節部分、メインテール、スタビライザーテールとそれぞれのセクションが大きな波動の中に入り混じって、とても複雑な波動を形成する。イギータは一見動いていないように見える軽微なアクションを持っているが、水面引きを試すことで水中での水を動かす力を自分の目で確認することが出来ると思う。使いどころとしてはマズメ時のシャローエリア、クリアウォーターでのベイト食いなどに抜群の効果を発揮する。
Action|ミディアムリトリーブ
(Medium retrieve)
ノーシンカーまたは0.3g〜1.75gのネイルシンカーを前方から数えて2つ目、もしくは3つ目のリブに挿入したリグでミディアムリトリーブで使用する。
まるでスプーンのようなウォブンロールアクションでバスを誘う。ベイトのレンジと速度に合わせた重さと速さでリトリーブすれば狡猾なモンスターバスも騙すことができる。ウィードやリップラップに対してのすり抜けもいいので、重めのネイルシンカーを用いてボトムコンタクトさせながらリアクションバイトを誘発させるのもオススメ。
Action|ジャーキング(Jerking)
ネイルシンカー0.9g〜1.75gを前方から2つ目のリブに挿入。ラインスラッグを使いながらジャークを入れることでイレギュラーダートを見せる。障害物際のバスをリアクションで反応させることが出来るメソッドだ。
Action|デッドスローリトリーブ
(Dead slow retrieve)
琵琶湖の冬シーズンで最もオススメの使い方。前方から2つ目のリブにネイルシンカーを挿入するネイルリグ推奨。3秒〜10秒1回転でスローリトリーブさせる。シンカーは1.3〜0.3gを巻きスピードに合わせて使用する。
フロロラインの14〜16lbがマッチする。着水同時にリーニングを開始し、任意のレンジまで巻きカーブフォールを入れたら、ロッドの角度を少しだけ上げて巻き上げていく。
巻き下げの時は頭を下げながら体を振り、フォールの頂点でI字に動きが変化する。巻き上げの時には再び体を揺らしながら、尻下がりで泳ぐ。リーニング中にストラクチャーに当たることも多いが、その時はロッドを煽らずにロッドに少しだけ角度をつけ(上方向に)、リーニング速度を一瞬だけあげると回避&食わせのタイミングを作ることができる。
重要なのは巻きのリズムを安定させること。なるべく一定速度で巻くことを意識して欲しい。足元でバイトが出ることも多いので気を抜かずに最後まできっちり引ききることが重要である。
Action|フォール&イレギュラーダート(Fall and irregular dart)
ネイルシンカー0.9g〜1.75gを前方から2つ目のリブに挿入。もしくはノーシンカー。フリーフォールでスパイラルフォールを見せ、カーブフォールで左右に緩やかなスライドを見せながらの落下を見せる。
しゃくりを入れると予測不能な方向にダートを見せる。テリトリー意識の強いバスに特に有効である。使い方が簡単なのでイギータを初めて使う人にもオススメのテクニックだ。現場の簡単な動かし方のイメージは、ラインを張らず緩めずでイギータをフォールさせる。着底したら2〜3回竿を立ててチョンチョン。それから再び着底させて5〜20秒ほどポーズを入れる。この繰り返しでバスを手にすることが出来るはずである
Action|水平フォール
(Hrizontal fall)
ノーシンカーや前方にネイルシンカーを挿入したネイルリグでは、イギータは前傾姿勢でフォールしていく。ところがイギータが最も太く、厚くなる部分から後方にネイルシンカーを挿入すると、水平フォールを演出出来る。フォールスピードがとてもゆっくりなので、ウィードポケットなどで抜群の効果を発揮するセッティングだ。
Rig 2|ジグヘッドリグ
イギータのレンジキープ能力を最大限に引き出せるのがジグヘッドリグである。中層で泳がせたり、ボトムで跳ねさせたり、ジグヘッドのウェイトを変えていくことで様々なレンジを攻めることができるのが強みだ。
ジグヘッドのウェイトは0.9〜2gを推薦。引きたいスピードとレンジを泳がせられるウェイトの使い分けが不可欠である。
Action|ミッドストローリング
(Mid-strolling)
中層からボトム少し上を攻めるときにはラインスラッグを出しながらのミドストがオススメだ。イギータのミドストはロールが入らない。ボディが絶妙に揺れながらテールの波動を発生させる。ロールアクションにスプークしたバスに非常に有効である。
0.9gのジグヘッドでフワフワしたアクション、重くなればなるほどスピードのある攻め方が出来る。
Action|ボトムバンピング
(Bottom bumping)
ボトムにある障害物やウィードエリアを攻めるのもジグヘッドの得意分野だ。1.5gから2gほどのウェイトを選んで、根がからないギリギリの重さでコンタクトさせるのがコツ。
ウィードに引っ掛けて跳ねさせる。ボトムの岩に当たったら跳ね上げる。また根がからないボトムであれば、ズル引きも有効。ズル引きも跳ね上げた後にも共通して重要なのはポーズを入れること。コッ!という小さいバイトが出ることが多い。
Action|ボトムスコーピオンキック
(Bottom scorpion kick)
イギータだからこそ出来るテクニックの1つがこのボトムスコーピオンキック釣法。初めて見た人が驚く唯一無二のアクションを見せる。
2gほどのジグヘッドリグをボトムでシャクリ続けると、その場で縦方向にクルクル回転し続けるのだ。まるで車輪のような動きを見せる。移動距離がほぼないのでテリトリー意識の強い魚に有効である。この動きは魚が弱ったときに見せる動きに瓜二つ。
この動きを見た、某アクアリウムショップの店長は「魚が弱った動きを忠実に再現している」と感嘆したほどだ。イギータを手に入れたアングラーはぜひ一度試してほしい。
Rig 3|ジグ&チャターベイトトレーラー
イギータはラバージグやチャターベイトのトレーラーとして抜群の効果を発揮する。ボディは固定され、ジェットテールが水流を縦方向に受けることによって、スタビライザーテールは縦方向に押される動き&戻ろうとする動きが働いて、不規則な微波動を発する。
19−20年シーズンの冬の琵琶湖においては5gのラバージグにイギータを装着した、通称”イギスコ”が火を吹いた。また重めのラバージグでボトムをとる釣りにもマッチする。
チャターベイトのトレーラーとしても高い効果を発揮する。トレーラーとしてのイギータも是非オススメしたい使い方だ。
ストレートワームやシャッド系ワームよりも強く、シャッドテールよりも弱い、絶妙な波動がバスを狂わせる。
Action|スイムジグ(イギスコ)
(Swim jig)
イギータのトレーラー使いとして最も爆発力があるのがこのスイムジグとしての使い方、イギスコだ。3.5g〜5gを推薦。スピードを上げたい時には7gまで使用する。
基本的には糸を張らず緩めずに一定に巻き続けるのが大事であり、バイトはゴンっ!と激しく出る。慌てずに巻き続けてラインテンションを掛けながら、きっちりフッキングを入れることが重要である。
オススメの使い方は着水直後から竿を寝かせて巻き始めて、巻きながらボトムまでフォールさせる。ボトムに当たったら竿を少し上げてボトムより少し上を泳がせてくる。この時に障害物に当たることも多いが、その時は竿を煽ったりせず、巻きの速度を一瞬だけ早めて障害物を回避する。この障害物回避時にバイトが出ることも少なくない。
足元まで来たらゆっくり巻き上げてくる。ピックアップ直前でバイトが出ることが非常に多いので最後まで気を抜かずに泳がせたい。65cm 5110gのバスを始め、ロクマルや3kgフィッシュが乱舞した使い方がまさにこれである。
Action|チャターベイトトレーラー
(Chatter bait trailer)
チャターベイトのトレーラーとしてもイギータは活躍する。チャターの振動はボディ全体へと伝わる。絶妙な微振動で通常のルアーにスプークしたバスも思わず口を使ってしまう。春や秋など、早い動きかつ、ナチュラルな波動が効くシチュエーションで驚異的な力を発揮するのがこのチャターセッティングだ。
Action|ボトム系ジグトレーラー
(Bottom- Jig trailer)
3g〜28gくらいまでのボトム系ラバージグのトレーラーとしてもイギータは活躍する。フォール&シェイク、フォール&ポーズなど通常のラバージグとしての使い方が出来る。ラバージグでイギータを使うとジェットテール本体は強い水押し&倒れる時にはスタビライザーテールが振動するのでアピール力と食わせる力を兼ね備えたルアーになる。